競合店調査の実施
1.実施概要
競合店調査においては、まず「競合店のどの部分を知りたいのか」ということを明確にすることが必要です。
例えば、品揃え、価格帯、接客やサービスなどです。
ここで気をつけたいのが、店舗内ばかりに目を向けすぎないことです。
調査を始めると、つい店舗内での商品や価格帯ばかりに目がいってしまいますが、その競合店の施設や販促手段なども、差別化ができる重要な調査項目となるはずです。
これらのことをふまえ、調査は大きく以下の6項目に大別されます。
・商品調査
・価格調査 ・売場調査 ・接客力調査 ・販促調査 ・施設調査 |
2.商品調査
商品調査で比較すべき項目は、商品・アイテム数・商品量・価格です。
これらを調査することで競合店がどの商品に注力しているかを知ることが出来ます。
また、以下の項目を調査することで、仕入から販売までの流れを把握することが出来ます。
・品揃えの特徴
・鮮度などの品質管理 ・在庫管理方法 ・仕入方法
仕入から販売までの流れを把握することは、効率的な経営を行う上での重要な指標になります。
店舗での視察で判明しない場合は、実際に試買を行うことで調査をします。
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3.価格調査
競合店と価格競争に陥ると、企業規模が小さいほど不利になってしまいます。
そのようなことを避けるためにも、価格調査の対象とすべき商品の見極めが重要となります。
調査の対象とすべき商品とは、買物頻度や知名度の高い商品です。
買物頻度の少ない商品等、比較されにくい商品は価格で勝負してもメリットがあまりないため、価格調査の対象として重視しません。
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4.売場調査
売場調査でチェックすべき項目は、以下の通りです。
・店舗面積
・ゾーニング、レイアウト、棚割り ・売場演出方法
店舗面積やゾーニングなどは、ホームページ上で公表している店舗もありますので事前に情報を収集します。
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5.売場調査における店舗面積調査
店舗面積を知ることで、「店舗強度」とも言われる店舗面積あたりの売上高が判明します。
これを自店の店舗面積、売上高と比較することで、競合店との分析がしやすくなります。
店舗の大小といった要素を排除するわけですから、分析で判明するのは、どれだけ効率よく売上を達成しているかという点です。
この店舗面積あたりの売上高を上げるためには、活用されていないゾーニングの見直しや、レイアウトを改善することが効果的とされています。
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6.売場調査におけるゾーニング、レイアウト、棚割り調査
ゾーニングとは「売場の品目ごとの配置位置」という大分類であり、レイアウトはさらに「その部門内での商品の配置」という中分類、そして棚割りは小分類といえます。
そのため、ゾーニングを把握してからレイアウト、棚割りを細かく調査していきます。
店舗の入口など、お客様から目立つ場所に商品が配置されていれば、その店舗が今一番注力している商品ということになります。
レイアウトや棚割りを観察すると、お客様が手に取りやすいよう商品の近くに関連商品が置かれていることがあります。
そこにどのような工夫があるのかを細かく観察します。
しかしこの調査工数は膨大なため、棚割り(小分類)での調査まで必要がない場合は、適宜調整を行います。
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7.売場調査における売場演出調査
売場演出について調査するためには、事前に陳列手法について知っておく必要があります。
陳列手法の種類は、以下の通りです。
・量感陳列 ( 商品の量をアピールする方法。活気やボリューム感、安さを演出する)
・平面陳列 ( 平面的に商品を陳列する方法。気安さ、気軽さといった印象を演出する) ・立体陳列 ( 商品を立体的に陳列する方法。購買客の視覚に訴え、迫力感を出す) ・展示陳列 ( 商品の個性をアピールする陳列方法。主に新商品などに使用する)
陳列の違いによって販売の狙いも異なるため、商品がどのように陳列されていたのか、手法でいうと何に該当するのか、という視点を持って調査を行います。
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8.接客力調査
接客調査においては、競合店の接客担当者や時間帯などによっても対応が変わる可能性があります。
また調査者の主観によっても判断が変わりやすい項目でもあるため、複数の調査者が何回か調査を実施するのが理想的です。
可能であれば、複数人にて同じ調査を実施し、その平均点で判断をするのが良いとされています。
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9.販促調査
販促調査とはプロモーション調査とも言い換えることが出来ます。
競合店がどのような方法で販促をしているのかを調査します。
販促には来店のための販促と店内における販促の二種類があります。
来店のための販促調査としては、折込チラシやSNSを使用した広告などをチェックします。
店内における販促調査としては、実際に店舗に赴き、観察調査や試買調査を実施します。
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10.施設調査
店舗強度調査と重なる部分もありますが、店舗調査とは、売場面積だけではなく立地条件、駐車場などの付帯施設を総合的に調査することです。
売場面積においては、お客様の利便性の面でも売場面積が広いことは競合店に有利となります。
付帯施設としては、駐車場のほかにもアミューズメント施設を併設しているか、バリアフリー対応となっているかなどの点があります。
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