競合店調査の目的
1.調査概要
競合店調査の目的は、競合となる他店と自店を比較することで、
自店の強み・弱みを把握し、自店の強みをさらに伸ばしていくことです。
顧客は価格や店舗の立地、品揃えなどといった多くの点で他店と比較し、来店しています。
競合店調査を実施することで、競合店との差別化をはかり、お客様に選んでもらえる店舗となることを目指します。
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2.競合店調査の前提
競合店調査を実施する際、前提として考えておかないといけないのが、
「自店が今後どういった店としてお客様に認識してもらいたいのか」というビジョンです。
このビジョンを持たずに調査を実施しても、調査後の目的設定が困難になってしまいます。
また、競合店調査にはスピーディさが求められます。
調査結果が得られてからビジョンを考えていては、せっかくの調査結果を即座に反映することが出来ません。
これらのことからも、常に自店のビジョンを持ちながら競合店調査を実施することが必要です。
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3.競合店調査のメリット
競合店調査のメリットとして、以下のような事例が挙げられます。
・客観的な目線で業績推移の要因を読み取ることができる
・商圏内の市場動向や、顧客に関する情報をいち早く知ることが出来る ・自店の今までの店舗戦略が正しいかどうかの検証結果を得ることが出来る
競合店調査を行うことで、客観的にマーケットを把握することが可能になります。
この視点がない場合は、自店の業績推移や店舗戦略について偏った考えになりがちです。
特に業績の推移について陥りやすいのは、「業績の悪化=景気の悪化」と考えてしまう点です。
これでは業績が悪化しても「景気が悪いから仕方がない。」と考えてしまい、
具体的な対策を講じることがなくなってしまいます。
もちろん業績は景気の影響を多大に受けるのも事実ですが、
それ以外にも顧客のニーズやターゲット層の変化などの要因を見落とさないように注意します。
また、競合店調査を行う過程では、自店のマーケットや顧客に関する最新の情報を常に持ち続けることが必要になります。
こうした情報をもとに、自店が行ってきた店舗戦略を客観的に分析します。
競合店調査の最大の目的でもありますが、分析の結果、自店の店舗戦略の良い点は継続し、悪い点は軌道修正するようにします。
こうした店舗戦略の意思決定に客観性を持たせることも、競合店調査の大きなメリットになります。
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4.競合店調査の流れ
競合店調査においては、事前に十分な計画を立ててから臨むことが求められます。
というのも、調査結果は即座に自店に反映することが必要だからです。
効率的に調査をし、その後分析を実施しなければなりません。
競合店調査の流れは、以下の通りです。
・対象となる競合店の選定
・比較項目の設定(調査シートの作成) ・自店の調査 ・競合店調査の実施 ・調査結果の分析 ・店舗戦略の見直し
特に時間を要するのが「競合店調査の実施」と「調査結果の分析」です。
ここで時間をかけすぎないためにも、調査期間は事前に設定が必要です。 調査内容にもよりますが、およそ2ヶ月程度が目安となります。
また、分析結果をどのタイミングで店舗戦略に反映するかも事前に考慮する必要があります。
入手した分析結果は、最も有効なタイミングで店舗戦略に反映すべきです。
実行のタイミングが遅くなると、新たな競合店の出現やマーケットの変化など、再度調査が必要なケースが発生するためです。
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5.競合店調査を計画的に進めるための方法
競合店調査を効果的に進める方法として、「調査に時間、お金、人手をなるべくかけない」という事が挙げられます
一般的に調査内容を詳しくするほど細かい結果が得られますが、競合店調査においては、調査結果の即時反映が求められます。
そのためにも、競合店調査はスピーディに実施することが重要です。
また競合店調査には1回の調査で多額の費用をかけないように注意します。
マーケット情勢や、お客様のニーズは常に変化するため、競合店調査は1度実施すれば終わりではなく、定期的に実施する必要があります。
1回の競合店調査にお金をかけすぎると、定期的な調査の実施が困難になります。
事前に定期的な実施を見据えた予算を決め、その範囲内で調査を実施します。
人手についても予算と同様の考えです。
従業員に余裕があるのであれば構いませんが、競合店調査に人手をかけ過ぎてしまい、実際の店舗の経営がおろそかになってしまっては本末転倒です。
あらかじめ人手について、どれくらいの人数であれば、定期的に競合店調査を行っても経営を圧迫することがないか設定してから調査を実施します。
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