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競合店調査の準備


1.準備の概要
競合店調査において事前に準備する点は、以下の通りです。

・競合店の選定
・調査シートの作成
・自店の調査
2.競合店の選定
競合店調査における競合店の選定として、ポイントとなるのは以下の通りです。

・自店と同等レベルの店舗は選ばない
・企業形態が異なる店舗も選定の対象とする

これらの条件で競合店を選定するのには非常に時間がかかります。 そのため、競合店を探す範囲や条件もあわせて検討します。
3.競合店の範囲
競合店を探す範囲の指標となるのが、自店の商圏です。 商圏とは「自店にお客様が来てくれる範囲」です。 商圏には以下の通り4つの商圏範囲があるとされています。

・足元商圏
店舗から徒歩5分以内で移動できる範囲の商圏。

・一次商圏
各移動手段で10分〜15分程度かかる範囲の商圏。 徒歩の場合はおよそ800m〜1.2kmほどの距離となります。

・二次商圏
利用者が週に数回程度来店する可能性がある商圏

・三次商圏
利用者が月に数回程度来店する可能性がある商圏

徒歩客を主要な顧客層とする店舗にとって一番重要なのは、この一次商圏です。 商圏を知ることで、商圏内の企業数と平均売上高より、商圏内の市場規模が分かります。 市場規模が分かれば、自ずと自店のポジションがわかるため、競合店を数値化しやすいというメリットもあります。
4.競合店とすべき条件
商圏内にも前提条件に合致する競合店は多くあります。 そのため、具体的には以下に該当する店舗の中から選ぶようにします。

・現状の売上高が競合店の中で上位に位置している店
・売上高が急成長している店
・店舗数を増やしているチェーン店

競合店を限定してしまうと、その店舗から有益な情報を得ることが出来ません。 例えば個人店とチェーン店では企業形態が違うため、参考にならないと決めつけてしまうと、 チェーン店が持っているノウハウは吸収できなくなってしまいます。

対象のチェーン店が繁盛しているのは、企業形態だけの理由ではなく、同種の商品を扱っているチェーン店ならではの店舗戦略があるはずです。

そのため視点を幅広く持ち、かつ、ある程度数値の根拠を持っている優秀な店舗を競合店に選定します。
5.競合店の選定数
ここで気をつけたいのが、競合店の選定数です。
いくら条件に見事に当てはまる店舗があったとしても、1店舗だけを競合店として選定してしまうとデータが偏ってしまいます。 データが偏った場合は、自店に置き換えて店舗戦略を練ることが困難となります。

選定数はある程度確保し、分析内容を自店に置き換えやすいように抽象化することが重要です。 しかし調査対象が多くなると調査時間が膨大になり、多額の費用が発生してしまいます。 そのため、調査対象は5から10店舗の間で選定するケースが一般的です。
6.調査シートの作成
調査の方法は商品を対象にするのか、サービスを対象にするのか等によって変わってきます。 そのため、効率よい調査のためには調査目的を明確にし、調査項目を設定していきます。
7.簡易調査
調査項目はまずは簡易調査として、多くても5つほどの項目に絞ります。 例えば競合店の価格について調査したい場合は、以下の通りです。

・商品名
・価格
・価格帯

必要に応じて項目を追加しても良いですが、あまり増やしすぎると本来の知りたい情報がぼやけてしまいます。まずは項目を絞った簡易調査から実施します。
8.評価手法
調査項目とともに決めなければいけないのが調査の評価手法です。 評価手法には以下の2種類があります。

・定量的評価
・定性的評価

定量的評価は数値化をくだせる項目の評価に使用します。 例えば、商品数や売場面積などです。

定性的評価とは売場の雰囲気など数値化しづらい項目の評価に使用します。 調査項目により、どの手法で評価をするかを設定します。
9.定性的評価の具体手法
定性的評価では「良い〜悪い」の5段階評価や3段階評価、また2段階評価が用いられます。 そのなかでも定番として用いられるのが、「◯△✕」の3段階評価です。

3段階評価より細かな分類が必要な場合は、5段階評価を使用するなど、内容によって使い分けていきます。 また、「◯✕」の2段階評価のメリットとしては判断がしやすいこと、分析が簡単なことがあげられます。 そのため簡易調査では積極的に用いることが良いとされています。
10.自店の調査
競合店を調査する上で自店を調査するのは、競合店調査のみならず重要な事項です。 売上高や品揃えなどは普段から把握している項目ですが、サービスレベルなどの提供側としては測りづらい項目も、今一度客観的な目線で知ることが必要です。

接客などのサービスレベルを数値化するうえで有効なのが、ミステリーショッパーと呼ばれる手法です。 ミステリーショッパーとは、店員に告知をすることなく店舗レベルを調査する手法です。

調査は以下の手順で行われます。

・評価項目を設定
・調査員を募集
・調査員へ評価手法を説明する
・ミステリーショッパーとしての調査実施
・評価の集計
・フィードバック

この調査により、お客様目線での接客レベルを数値化することが可能です。 こうした手法を活用しながら自店がどのレベルなのかを把握し、競合店調査を実施します