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渋滞状況調査


1.渋滞状況調査の概要
渋滞状況調査とは、交通量が交通容量を上回り、車両が徐行や停止を繰り返す渋滞状況の原因を把握するための調査です。

渋滞が発生する原因は、交通量が交通容量を超えていることが挙げられます。 また、そのことのみならず、車線減少や踏切、車両の右左折など道路状況が渋滞の原因になり得ることもあります。

そのため、特定の道路において渋滞状況を調査し、その原因を知ることで改善の余地があるかどうかを調査するのが渋滞状況調査です。 調査の結果、どこをどのようにすれば渋滞状況が緩和されるのか、改善していくことを目指しています。
2.渋滞状況調査の計画と準備
渋滞状況調査はその特性上、先頭地点の選定や、調査を行う日時をあらかじめ設定しておく必要があります。

先頭地点は車線減少部や交差点など、交通渋滞が日常的に発生する箇所で、その渋滞の頭部に位置する地点を選定します。

調査日時は、平均的な交通渋滞が発生している平日、もしくは休日の渋滞長が最大となる時間帯とし、 最大渋滞長の発生時刻が調査時間の中央に位置するように設定します。
3.渋滞状況調査の項目と調査方法
・交通量(渋滞が発生している道路の交通量を調査)
交通量の調査では、渋滞の起算点を交差点と仮定し、その部分を流入部とします。 交通量は、流入部別に車種(自動車・二輪車など)や方向別に10分間観測して記録する調査です。

・渋滞長(実際に渋滞している長さを調査)
渋滞長は、起算点を渋滞の発生原因となっている部分(車線減少・踏切など)とし、車列長を10分ごと10メートル単位で観測します。

・渋滞区間通行時間(渋滞が発生している区間を通行するために要する時間を調査)
渋滞区間通行時間調査では、走行試験車を使用する事が一般的です。もし、走行試験車を使用しない場合は、以下の方法を用います。

(a)最も渋滞が激しいと思われる部分で、渋滞区間を通過するための時間を10分間隔で測定する。
(b)渋滞の最終に付いた車両数台のナンバープレートを記録し、到着した時刻と渋滞を抜け出した時刻を記録する。

・信号現示(渋滞が発生している区間の信号現示を調査)
信号現示では、基本的に2人1組のチームで各流入部の信号機を確認します。 具体的な調査方法として、青信号・黄信号・赤信号の時間をストップウォッチなど利用して観測し、分析します。

・渋滞原因(渋滞が発生している原因を調査)
渋滞原因は調査を行う前に仮説を立て、実際に現地を確認して以下15項目の中から選択します。

【車線減少】
車線減少が渋滞原因となっている場合、3車線→2車線のように物理的な形状変化が原因であることが考えられます。

【信号現示】
特定の方向のみ渋滞が発生している場合、信号現示が不適切である可能性が高いため、 その事実を改善することで渋滞緩和につながることがあります。

【踏切】
踏切の前は必ず一時停止をするため、渋滞の原因になります。

【橋梁】
橋梁は接続する土工部と異なる横断面構成が車線減少と同じ渋滞原因を作ったり、 橋梁部に交通量が集中したりすることによって渋滞が発生します。

【右折車・対向直進車】
道路に右折専用レーンが無かったり、対向車が途切れることなく通行し続けることによって渋滞が発生する可能性が考えられます。

【左折車】
横断歩行者が多くて左折待ちの状態が発生している場合は、渋滞の原因になります。

【大型車】
大型車は普通車と比較して停止や発進に時間がかかるため、渋滞が発生することがあります。 また、幅員が狭い道路で大型車が多く走行している場合も、渋滞の原因になる可能性があります。

【二輪車】
速度の遅い二輪車が走行している場合、渋滞の原因となる可能性があります。 特に自転車が混在している場合は全体の走行速度が低下します。

【歩行者】
歩道が極端に狭い、もしくは無い道路で歩行者が車道部分へはみ出している場合は、車両の速度減少につながるため、渋滞につながります。

【駐車車両】
駐車車両によって車線減少・車線封鎖が発生している場合は、渋滞の原因になります。

【バス停】
バスが頻繁に往来する時間帯はとくに渋滞の原因となっている可能性が高いです。

【工事・事故】
長期にわたる工事や、突発的な事故による車線減少や車両規制によって、渋滞が発生する場合があります。

【沿道からの入り口】
沿道にある建物などに出入りする車両が多ければ、渋滞が発生する原因になります。

【道路線形】
道路形状でカーブとなっている部分は、減速する車両が多くなるため渋滞の原因になります。

【交差点形状】
交差点の形状がはっきりしていない道路や分かりづらい道路は渋滞の原因になります。 また、信号現示が複雑になっていることも渋滞の要因と考えられます。

上記のように、渋滞はさまざまな原因によって発生します。 その原因を調査・把握することで、渋滞緩和への解決策を見出すことができます。