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交通需要予測


1.交通需要予測の概要
交通需要予測とは、交通需要と供給の均衡として生じる交通量とサービス特性を予測することです。

交通需要とは、特定の道路で決まった時間帯に何も制限がなかった場合に、その道路が流せる交通量のことを言います。

つまり、特定の道路で決まった時間帯の交通容量を予測することが「交通需要予測」です。

交通需要が交通容量を上回る場合は、その道路では車両をスムーズに流すことができないため、渋滞が発生することになります。 そのため、あらかじめ交通需要を予測しておくことで、渋滞を回避して通行する事が可能となります。

また、交通需要予測では、自動車以外の公共交通機関の交通需要を予測するためにも利用されます。
2.交通需要予測の目的
交通需要予測を行う目的は主に「道路における渋滞緩和」と「インフラ整備」です。

まず、交通需要予測を行うことによって、その道路の交通容量と比較をすることができます。 交通容量とは、特定の道路の性質を踏まえた上で特定の時間帯に通行できる車両の容量です。

交通容量を上回る交通量の発生が予測される場合、あらかじめ交通需要予測を立てて情報を発信しておくことで、渋滞緩和につながります。

たとえば、大型連休中などニュース番組で「高速道で、上り・下りのピーク」といった言葉が出てくることがあります。 これは、交通容量を上回る交通需要予測ができたため、あらかじめ広く周知しています。

これにより、渋滞を回避する方法を模索したり、実行を検討するための材料として活用されています。

そして、交通需要予測はインフラ整備にも役立ちます。たとえば、鉄道網や道路網などは人が生きていく上で必要不可欠なものです。 しかし、むやみやたらに設置したり整備したりすることはできません。

採算度外視で事業を行っていれば、事業として成立しません。そのため、あらかじめ交通需要予測を立て、採算が取れると判断した場合に整備を行います。

また、既存の道路等でも物流に影響を与えるような場合は、交通需要予測を立てた上で改善を図ります。
3.交通需要予測手法
交通需要予測を立てる上でもっとも分かりやすいのは、実際に計測したい道路において調査を実施することです。 特定の時間、道路において計測し、そのデータをまとめて平均することで交通需要予測が立てられます。

しかし、この方法は非効率な側面もあることから、実際に、交通容量予測を行う方法として用いられているのは、「四段階推定法」です。

四段階推定法とは、アメリカで開発された手法であり、交通需要予測を行う上でもっとも標準的な方法です。

この方法では、対象の地域をいくつかのゾーンに分け、各ゾーンで将来的な交通量を予測します。 次に、分布交通量の推定値を用いてそれぞれのゾーン相互間の交通量を予測します。

その後、各公共交通機関や自動車などをどのような割合で利用するかを予測し、最後に配分交通量の測定を行います。 この流れによって、最終的に交通需要予測を行い、反映させていきます。

交通需要予測を立てるためには以下の手順が必要です。

【1.発生・集中交通量の予測】
まずは生成交通量として、人口1人当たりが1日に何回移動するかを予測します。 次に、発生交通量では、特定のゾーンの人口のうち何人が移動するかを予測します。

最後に、集中交通量として、ゾーンごとの昼間人口・従業員人口などを予測し、何人の交通が集まるかを予測するのが第一ステップです。

【2.分布交通量の予測】
分布交通量の予測では、どこからどこまで移動するのかを予測します。基本的には、発生交通量や集中交通量と比例します。

【3.交通機関別交通量の予測】
次に、どのような交通機関を利用するのかを予測します。たとえば、徒歩や自転車、二輪車や自動車、公共交通などです。

ただ、移動距離によっても交通手段は異なるため、一般的には距離別の利用率を参考に算出します。

【4.経路別交通量の予測】
最後に、経路別交通量の予測を行います。ここでは経路別の交通手段を予測します。

ここまでの予測で、四段階推定法による交通需要予測が完了します。

ただ、四段階推定法は必ずしも万能なものではなく、さまざまな問題点も挙げられています。 たとえば、四段階推定法は交通の発生や集中度を一般的な水準とは関係なく予測しています。そのため、正確な予測を立てるのが難しいと考えられています。