速度調査
1.交通量調査における速度調査
交通量を調査する際に速度調査を行う場合、なぜ速度調査を行うのか、
どんな方法で調査するのかなど、様々なポイントを押さえる必要があります。 速度調査に関して、まず、前提として知っておきたいのが、地点速度と区間速度があることです。 地点速度は、車両1台の特定地点における瞬間速度を表しています。 区間速度は、ある程度長い区間における平均的な速度を表しています。 そのうち、区間速度は調査対象の区間を通過する際に要した時間のうち、停まった時間を除く走行時の平均速度である走行速度と、 停まった時間を含めた平均速度を表しています。 地点速度や区間速度の速度調査を行う主な目的は以下の通りです。 ・交通制御の必要性や適正な計画を立てるため ・最高速度や最低速度を決めるため ・はみ出しや追い越しに関する規制を検討するため ・事故分析に利用するため |
2.地点速度と区間速度の調査方法
地点速度と区間速度の調査方法は、それぞれ様々な方法があります。
前提として、地方道路では見通しが良い平坦な直線を選びます。
また、都市内道路における速度調査を行う時の主な条件は、以下の通りです。 ・徐行や停止標識がないこと ・バス停やタクシーの乗降場がないこと ・駐停車の車両がないこと ・横断する人がいないこと ・速度取り締まりなどの活動がないこと |
3.地点速度の調査方法
地点速度の調査方法は、以下の通りです。 ・ストップウォッチ
ストップウォッチを使って、観測者が観測する区間を走行する車両を1台1台測定する方法です。
ストップウォッチで区間を走行する通過時間を測定しますが、人力で測定しなければならないので多少の誤差が発生することに注意します。
・ビデオカメラ
ストップウォッチのデメリットを解消できるのが、ビデオカメラによる調査方法です。
ビデオカメラを測定区間を見渡せる場所に設置し、撮影した映像から2つの地点の通過時間を読み取って、その所要時間から走行速度を求めます。 一通り撮影したら、後は室内で映像を確認しながら走行速度を求められる事が大きなポイントです。
なお、ビデオカメラによる撮影は風雨に耐えられるように配慮する必要性があり、
調査対象となる2つの地点が画面内に収まるようにしなければなりません。
また、必要機材はビデオカメラ、CCDカメラ、ビデオレコーダー、三脚です。
撮影場所や状況に応じて取付器具やストップウォッチ、カウンターも必要になります。
・ドップラー計測器
ドップラー計測器とは、レーダー・スピードメーターによる調査方法です。
この方法はドップラー現象を応用したもので、頭上式、斜上式、レーダー式といった方法で調査します。 なお、ドップラー計測器を使用する際に注意しておきたいのが、測定精度が非常に高い代わりに値段が高いことと、無線免許と無線従事資格が必要になることです。 現場でドップラー計測器を利用する場合は、事前の準備が必要です。 |
4.区間速度の調査方法
区間速度の主な調査方法は、以下の通りです。 ・試験走行法
試験走行法とは、決められた所定の道路区間を試験車で何回も走行して、走行時間や停止時間を測って区間速度を算出する方法です。
様々な調査方法の中で最もオーソドックスな方法なので、どんな道路でも調査できるのが最大のメリットです。 ・車両番号照合による方法
この方法はナンバープレート調査とも呼ばれ、長距離区間を測定する際に用いられることが多いです。
調査対象となる区間の両端に観測者を配置し、区間を通過した車両のナンバープレートと通過時刻を記録します。 そして両端で記録したナンバープレートを照合して、それぞれの走行時間を算出していきます。 ・ビデオカメラ
地点速度の調査と同じように、ビデオカメラを測定区間を見渡せる場所に設置し、
撮影した映像から2つの地点の通過時間を読み取って、その所要時間から走行速度を求めます。
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交通量速度における速度調査は様々な方法がありますが、どの方法が一番良いかどうかは状況や調査する場所などによって違います。 多少の誤差が出る可能性が高いストップウォッチか、後で室内で調査できるビデオカメラによる調査など、それぞれの方法にメリットがあります。 |