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飲食店の経理、会計


1.飲食店の経理、会計の考え方
飲食店の開業にあたっては、事前に経理、会計の管理方法をきちんと理解することが必要です。

管理するためには様々な方法がありますが、一般的に使用されているのが「損益計算書」と呼ばれる一覧を作成して会計を把握する方法です。

損益計算書とは、店舗でかかるすべての費用と収益を洗い出して表にしたものであり、店の経営状態の指標になるため、 銀行から追加融資を受ける際には提出が求められるケースもあります。

原価、人件費、光熱費などの各種経費を項目ごとに記載するという、一見すると大変な作業ですが、 これらを作成することで店舗の利益や、各費用の比率を把握することが出来ます。

この会計項目として使用される「利益」にはいくつか種類に分かれています。 その種類とは、以下の通りです。

・粗利益

売上から材料費などの原価を差し引いたもの。

・経常利益

営業利益から本業以外で得た「営業外収益」を加算し、「営業外費用」を引いたものです。 個人店で営業外収益、費用がなければ、営業利益と経常利益は同額になります。

・純利益

営業利益から税金を支払ったあとのもの。

「店舗が利益を出しているかどうか」を判断するためには、これらのうち営業利益を参考にすると良いと言われています。 理由としては、飲食店の3大経費と言われる原価、人件費、家賃が売上から差し引かれているためです。

売上が高かったとしても、経費が多くかかっている場合、利益は少なくなります。 そのため、こうした売上から経費を除いた金額で、店舗の収支を正確に判断します。
2.人件費と原価の管理
飲食店の経費の考え方としてよく使われるのが「FLコスト」と呼ばれる経営指標です。 FLとは、原価(Food)と人件費(Labor)のことを指します。 売上に占めるこの比率を「FL比率」と呼びます。

一般的には、このFLコストが売上比の60%程度であることが適正と言われています。 もし60%を大幅に超えている場合は、売上に占めるFLコストの割合が高いため、見直す余地があります。

経費を見直すとなると、まず最初に思いつくのが人件費削減のための人員カットや、 原価を抑えるための仕入先変更かもしれませんが、実はそうではありません。

人員カットはサービスの低下に繋がる恐れがありますし、安い仕入先へ変更すると商品力の低下に直結し客足が遠のく可能性があります。

経費の見直しは、ただカットするのではなく、オペレーションの変更などで達成できる場合があります。 例えば、以下の通りです。

・セルフサービスを導入する
・大皿中心の盛り付けにし、配膳作業を軽減する
・繁忙期や閑散期に応じたシフトを設定する
・在庫管理を徹底し、食品ロスを発生させないようにする

セルフサービスは、ドリンクバーなどの注文に関するものや、会計時のサービスにおいても導入が可能です。

顧客満足度との兼ね合いが求められますが、操作が複雑でなければ、お客様をお待たせする時間が短くなり、 以前より評判が良くなったというケースもあります。

こうしたセルフサービスを積極的に導入することによって、人件費の削減に繋がる可能性があります。

また、メニューの内容を変更し、少しでも配膳作業を軽減することや、シフト作成を工夫することも人件費の削減に繋がります。

また、仕入となる原価を抑えるためには、可能な限り食品ロスを発生させないようにすることも有効的な手法です。

細かなことではありますが、こうした地道な経費削減の努力を積み重ねることが繁盛店への近道になると言われています。

3.その他の経費
FLコスト以外にも飲食店では様々な経費が存在します。 3大経費の次に大きな割合を占めるとされているのは、以下の費用です。

・水道光熱費
・販売促進費
・広告宣伝費

こうした経費も、単純に抑えれば良いというわけではありません。 無駄遣いをしないというのは当たり前ですが、使用しなければならないという時もあります。

例えば、開業時の販売促進費などです。 飲食店の開業時には開業資金なども限りがあるため不安なときではありますが、 ここで販売促進費を節約してしまうと初期の集客が出来ずに後の客足に響いてしまう、ということもあり得ます。

また、経費の節約がお客様へ悪い印象を与えてしまう例もあります。 例えば水道光熱費をコストカットするために、電球を外していたなどの例です。

もしその薄暗い雰囲気が店のコンセプトとマッチしていれば良いですが、そうではない場合、お客様へ悪い印象を与えてしまう可能性があります。

飲食店はあくまでサービス業ですから、使わないといけない部分にはしっかりと経費を使う判断も求められます。