飲食店のPR、販売促進
1.販売促進
飲食店の開業にあたって重要なことは、新規客を呼び込み、固定客化することです。
店舗側としてはオープンしたのだから最初はお客様が来店してくれるだろう、と思いがちですが、あまり期待してはいけません。
飲食店の新規オープンは、お客様にとってはそれほど珍しいことではないためです。
また、実績があるお店であればPRをしなくても、口コミでお客様が集まってくることはありますが、
新規店であればそのような効果も期待はできません。
つまり、実績がない新規店の魅力をどれだけPRすることが出来るのか、という点が開業時の販売促進のポイントです。
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2.PR方法
主なPR方法は、以下の通りです。
・ティッシュ配り
・ポスティング ・近隣事務所へのセールス ・地域情報誌への掲載
これらの方法はどれか1つをやれば良いというわけではなく、複合的に実施するのが一般的です。
例えば、開業前には地域情報誌にオープン日の告知を行い、オープン後は駅前などでティッシュ配りをする、といったような方法です。
ティッシュ配りやポスティングはスポット的なやり方だと効果は薄れてしまいがちです。
最低でも1週間以上は繰り返し実施したほうが良いといわれています。
近隣の事務所へセールスを行うのであれば、メニュー表やサービス券を持参するのが
効果的です。テイクアウトが可能なのであれば、その旨を明記します。
また、開店サービスと称して割引を実施するのもPRに繋がる方法です。
割引の幅は様々ですが、割引率が高いほどお客様を呼び込みやすい傾向があります。
思い切った割引であれば話題性での集客を期待することもできます。
来店者全員に1割引やドリンク無料をするというのも1つの方法ですが、
先着限定で豪華なサービスや割引を実施するという方法もあります。
開業時にはこのようにして、お客様に来店してもらうきっかけを与えるという視点でPRを実施します。
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3.固定客化
新規客を獲得したとしてもそれで終わりではなく、次に必要なのは固定客化することです。
固定客がつくことで、売上が安定し、さらに固定客が新規客を集客してくれる副次的な効果も見込めます
固定客化するためにはいくつかの方法がありますが、共通するのは「自店のファンになってもらうこと」といえます。
そのためには様々な方法で好感度を上げる必要があります。
固定客化するための効果的な方法の一例は、以下の通りです。
■ポイントカードの活用
ポイントカードを作成し、活用することはお客様の来店動機をあげる効果的な方法です。
来店頻度に応じて食事券などを還元することで、お客様にとってお値打ち感を実感してもらうことができます。
また、ポイントカードを発行する際に年齢や性別、メールアドレスなどの情報を登録してもらえれば、
飲食店側にとっては顧客管理やマーケティングがしやすいというメリットがあります。
しかし、ポイントカードを自店で作成する場合は一定の手間とコストがかかるというデメリットがあります。
■イベントの開催
飲食店は日々新しい店舗が開業していくので、その中で生き残るためには常に目新しさを提供する必要があります。
そのために効果的なのが、イベントの開催です。
イベントといっても様々な種類があり、例えば抽選会の開催や、季節ごとのメニューの一新などが挙げられます。
イベントを開催するために重要なのは、実施時期と期間です。
実施時期は、多くの客が来店する繁忙期に行うほど効果があるとされています。
また、期間についてはあまり短すぎる期間の設定はしないほうが効果的です。
単発のイベントというのは特別感があるものですが、集客力という点でみると、ある程度長期間のほうが多数の集客を見込めるためです。
また、イベントの開催に向けては、告知や食材の確保といった作業が発生することも忘れてはいけません。
計画的に実施するためには年間でのイベント表などを作成し、予算と人手を調整しながら開催を検討します。
■接客を工夫する
固定客化のために重要なポジションを担っているのが、接客です。
特に飲食店では他の小売店と比べ、お客様と接する機会が多いため、いかに好感度を高めるかということがポイントになります。
例えば、来店時の挨拶に一言加えるというのも効果的な方法です。
「駅からは迷いませんでしたか」などお客様を気遣う言葉を一言添えるだけで、お客様にとって良い接客として印象に残ることが期待できます。
また、2回目以降の来店であれば「毎度ありがとうございます」などの挨拶をし、顔を覚えていることをアピールすれば、お客様の満足度が向上します。
また、お客様が誕生日や結婚記念日といった特別な日に来店しているのであれば、
お客様側から要望がなくてもサプライズとしてデザートやドリンクを提供するのも、効果的な方法です。
飲食店開業後の販売促進には、こうしたPRや固定客化に向けた工夫が必須といえます。
店舗のコンセプトを生かした販売促進を実施することで、他店との差別化を図ります。
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