パート、アルバイトの採用、教育
1.飲食店における人材戦略
飲食店では従業員がその店の顔となるといっても過言ではありません。
飲食店の開業にあたって、より良い従業員を採用し確保することは、繁盛する飲食店を作り上げるために不可欠です。
こうしたより良い人材を確保することを人材戦略といいます。
人材戦略においては、求人にコストをかけ力を入れることも重要です。
せっかく良いパートやアルバイトを雇ったとしても、数週間で辞めてしまっては採用にかけた努力が無駄になってしまいます。
そうならないためにも、従業員が辞めない風土作りも重要となります。
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2.パートやアルバイトの採用
飲食店の開業に備えて、パートやアルバイトは以下の方法で採用することが可能です。
それぞれ一長一短がありますので、飲食店の規模にあわせて最良の採用方法を検討します。
■紹介
紹介での採用は、コストや手間が通常かからないというのが大きなメリットです。
また信用に足る人より紹介してもらうので、紹介してもらえる人についても期待することが出来ます。
しかし、どうしても人のツテには限りがあります。
大規模な飲食店を開業する場合は、数十人の従業員を雇う必要がありますので、すべてを紹介でまかなうのは困難です。
紹介は、比較的少人数の採用を行う場合に向いている採用方法といわれています。
■ハローワーク
自治体のハローワークであれば、求人広告を無料で掲載することが可能です。
コストはかからない一方で、書類作成やその後の手続きなどが必要です。
そのため、採用に関連してある程度の手間を考慮しておく必要があります。
■求人情報誌
求人情報誌側が求人広告を制作、宣伝を行ってくれます。
多くの人が目にするため求人が集まりやすく、また求人情報誌側がより良い人材確保に向けアドバイスを行ってくれる場合もあります。
しかし、求人広告を出すたびに費用が発生するというコスト面でのデメリットがあります。
募集人数が少ない場合は、求人1人あたりにかかるコストが高くなるため、募集人数に応じ実施を検討します。
■ホームページやSNSでの発信
飲食店の開業にあたってブログやSNSを作成し、そこで従業員の募集を発信する方法です
この方法の場合、応募をしてくる人はその飲食店に興味がある可能性が高いです。
そのため、店側にとっても貴重な人材を確保できるという点でメリットがあります。
しかし、上手く発信をしないと、そもそも多くの人の目に留まらない可能性もあるため注意が必要です。
以上が主な採用方法です。
その他にも、学生のアルバイトを雇いたいのであれば、近隣の学校に掲示をお願いしたり、チラシを配布する等の方法もあります。
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3.採用面接時の注意点
求人に対し応募があれば面接を行い、その人物の能力や人柄を判断します。
面接では好感度が高かったのに、実際の働きぶりはそうでもなかった、というのはよくある話です。
そのような認識のギャップを生じさせないためにも、面接をするにあたって重要なのが以下のポイントです。
・欲しい人材像
・コミュニケーション能力 ・経験
まずは、飲食店側としてどういう人材が欲しいのかを明確にしておきます。
どういう人材が必要になるのかは、その店のコンセプトによります。
例えば、賑やかな印象の飲食店にしたいのであれば明るく元気な人材を重視します。
また、料理提供までのスピードを売りにするのであれば、テキパキと働くことができそうな人材を重視します。
このように、まず飲食店側として欲しい人材を具体化し、面接時の基準にします。
次に、飲食店に限らずコミュニケーション能力は仕事をするうえで欠かせません。
面接でそこを判断するためには、相手と適当な雑談をすることが効果的です。
会話を通じて、相手がこちらの質問の意図を理解しているか、適切な返答をしているのかを見極めます。
お喋りが上手であってもコミュニケーション能力があるとは限りません。
実は自分の喋りたいことを喋っているばかりで質問に答えていない場合もあります。
飲食店ではお客様が求めていることを正しく理解することが重要ですので、
話をしっかりと聞く能力を持っている人材かどうかを判断します。
続いて、その人物がどのような経験をしてきたかも重要な判断基準です。
スキルや職能によっては、開業時からアルバイトのリーダーを任せることも可能です。
反対にアルバイト自体未経験の場合もあります。
アルバイト未経験でも自身の役割を理解し戦力になりそうであれば、採用することも問題はありません。
相手の経験をヒアリングすることは適材適所な役割を判断するうえでも重要です。
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4.パート、アルバイトの教育
採用したスタッフを、その店舗で長く働いてもらう人材にするためには、基本姿勢や評価制度にこだわり教育を続けていくことが重要です。
■教育の基本姿勢
飲食店で働くこと自体が初めてだというパート、アルバイトの場合は、仕事に少なからず不安を持っています。
そのため、そうしたスタッフの不安を軽減するためにも、「基本的なことから丁寧に教え、
不明点があればいつでも聞くようにと伝える」ことが基本姿勢として重要です。
ツールとして効果的なのが、マニュアルの使用です。
マニュアルはスタッフにとって安心できる材料になる一方で、形骸化しやすいというデメリットがあります。
マニュアルを使用するのであれば、実態に即しているかを定期的にチェックすることが必要です。
■評価制度
仕事にやりがいを感じ、勤務を続けてもらうには、評価制度を工夫することが効果的です。
具体的には、段階的なゴールを設定し、ステップアップの道筋を明確に示します。
例えば業務のチェックリスト化を行い、スタッフが今できていることと、出来ていないことを一覧化します。
そして、出来ていない項目については、一定の時期を目安に達成できるように促します。
評価が高くなればなるほど、時給を上げるというのも従業員のモチベーションアップに繋がります。
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